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 そうしてお昼休みは終わり、午後の業務にとり掛かる。夕方が近づき外出から戻って来る設計施工の人たち。 「おつかれーっす。あ、村瀬。朝、ありがとな。荷物の確認。これ、やるよ」  小久保が戻るなり村瀬さんにお礼を言い、エナジードリンクを渡した。 「いーえ。……あー、ねぇ。私これ飲まないから、アンタ飲みなよ」 「え? オマエ、これ好きだったよな」 「うん、そーなんだけど……なんか、体に悪そうだからやめた」 「……へぇー、そうか。わかった。じゃー今度なんか別なもんやるよ」  ニヤッと笑ってそのまま自分の席に着く小久保。その日は定時少し過ぎた時間に帰れた。 (よかった。意外と普通だった)  長い休み明けだからもっと大変かと思ったけど、胸を撫で下ろす。それは彼も同じだったようだ。 「ただいまー。わりと早く帰れた。琴音ちゃんもよかったね」 「お帰りなさい。よかったですね。トラブルがなくて」 「ねーホント。お腹すいた。今日は鍋? 寒かったからぴったりじゃん」  嬉しそうに部屋着に着替えている。 「「いただきます」」  2人で声を合わせて食事を始めた。 「あ! 小久保くんってさー、なんか噂あったりする?」  しばらくして急に思い出したように言う。
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