5610人が本棚に入れています
本棚に追加
「セフレ？ え？ ……えぇ？」
「八重田さん。セフレっていうのはですね、肉体関係だけの——」
「そんなことぐらい知ってますよ！ バカにしないでください」
動揺している私に、セフレの意味について詳しく説明しようとした夏目さん。ムキになって言い返した。
「セフレ『だった』だろ？ ……オマエ、俺と結婚するんだよな」
苛立ちながら村瀬さんに聞いている小久保。
「だから！ 子供できたらだって言ったでしょ？ それに今もセフレだよね？」
「は？ 何言ってんだよオマエ。子供作るってことは結婚するってことだろ？ そう決めた時点でセフレじゃねぇよな」
「違うって！ セフレだよ！ 子供できたら籍入れようって言ってんの！ できちゃった結婚！」
フロア内は２人の会話に釘付けだ。
「ちょ、ちょっと待って？ セフレかどうかはどっちでもいいんだけど……え？ 村瀬さん、できちゃった結婚する気なの？」
飛鳥さんが焦って確認する。
「はい。籍入れて子供できませんでしたっていうんじゃイヤだし。そんな……すぐにできないかもしれないじゃないですか」
「えー？ ちょっと……ごめん。ついていけないんだけど……。小久保くん、どういうこと？」
フロア内にいる誰もが飛鳥さんと同じ気持ちだ。
最初のコメントを投稿しよう！