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「いや、俺もよくわかんないんっすけど……」
小久保が困惑した顔で村瀬さんを見る。
「アンタさー、子供ほしいんだよね? 3人以上。さすがに3人できるまで入籍しませんって言うのは難しいからアレだけど。……結婚してできなかったらどーすんの?」
「え! 小久保、子供3人以上ほしいの? ……あ、すみません」
驚きのあまり思わず言ってしまった。私の発言を気にも留めず村瀬さんが続ける。
「だから、子供できたら結婚するって言ってんの。できなかったら結婚しないし、他の子と同時進行でもいいよ。他の子と結婚したかったらその子と結婚しな? 最悪、ブッキングしたら私の方は認知してくれればいーからさ」
サラッと言う村瀬さんに愕然とする小久保。
「は? いや……オマエ……何言ってんのか全然わかんねぇよ。なんだよそれ。……マジで……意味わかんねぇ」
「……あのさ……さすがに荷が重いよ。仮に結婚して『子供できないから離婚します』で済めばいーけどさ……アンタだってその間に歳取るんだよ。アンタの望みを叶えてあげられなかったら……私は耐えられない」
静かに言う村瀬さん。
(あぁ、小久保のこと本当に好きなんだ)
なんとなくわかってしまった。シーンと静まり返る。
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