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「えーっと、あれかな? もう少し、よく2人で話し合った方がいいんじゃないかな。ね? この話、みんな聞かなかったことにしよう」  飛鳥さんがどこか気まずそうに明るく纏めたけど……。 「なかったことになんかできないですよ。こんなこと聞いて。まさかこんな話だと思わなかった。……とりあえず、村瀬、いなくなるかもって方向で人増やした方がいいですよ。異動するとしたら村瀬でしょ?」  2班の班長が強い口調で言った。 「そーだねー。村瀬さん、せっかく社員になったのにもったいないなー。はぁー、ちょっと待って……頭、混乱してる。小久保くんが異動ってことはないかな? 3月に内示出たり……」  飛鳥さんがため息まじりに独り言のように可能性を整理している。 「いや、小久保が異動になっても、村瀬が妊娠したらここの事務、穴空きますよね。できちゃった結婚狙ってるんですから」 「あー、そっか。……でも、あれだよね。育休取って復帰するでしょ? その間、1班の派遣さんとか八重田さんにフォローしてもらえないかな。ねぇ?」 (え……私? 別にいいけど)
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