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「1班の派遣なんて当てにならないじゃないですか。コロコロ変わるんだし。それこそ八重田だってどうなるかわかんないですよ。そっちはもう結婚してるんだし……どっちにしろ人増やした方がいいですよ」
施工2班の班長が私と今井さんを示してそう言う。
「だから言ってるじゃないですか。女はすぐに辞めるんだからって。飛鳥さんもいい加減、俺の意見認めた方がいいですよ」
藤島さんが私と村瀬さんを見て蔑むように笑った。
「女しか子どもは産めないんだから仕方ないじゃないですか! 産める年齢だって限られてるんですよ」
村瀬さんが強い口調で藤島さんに食ってかかる。
「だったら仕事辞めて家に篭ってろよ。中途半端に外に出て働くから迷惑がかかるんだよ。なにが女性の社会進出だっつの。しわ寄せは俺らに来るんだからいい迷惑だよ」
「そんな言い方ないじゃないですか!」
「また藤島は。やめておけよ。飛鳥さん怒らせるなって」
いろんな人から抗議の声が上がったが、そんな声を掻き消すように夏目さんが村瀬さんを見てキッパリと言った。
「私は今の意見に賛成です。実際、迷惑掛けますし。貴女みたいな女性がいるからこうやって言われるんですよ。仕事は責任を持たないとダメです。できちゃった結婚なんてもっての外ですよ」
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