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「おじさん? 今井さんおじさんじゃないですよ。……でも、確かに心配ですね。村瀬さん、たぶん小久保のこと本当に好きなんですよ。セフレとか言ってたけど、なんか違うと思う」
小さく笑っておじさん発言を否定したけど、しんみりとしてしまった。あの言葉は……あの表情は、本当に気持ちがないと出ないと思う。
「小久保くんも、結構ショックだと思うよ。結婚しようと思ってる相手にあんなこと言われて。子供できなかったら結婚しないとか、他の子と同時進行でもいい、なんてさ……」
「私は気持ちわかりますよ。子供3人以上ほしいなんて、かなりプレッシャーです。その望みを叶えてあげられなかったらって思うと……他の人とどうぞって思っちゃうかもしれませんね。相手を想っているからこそ……ですよ」
お互い考え込みながらしんみりとする。
「はぁー、本当に難しいよねー。子供のことばっかりは」
「そうですねー。思った通りにいかないですからね。それこそ運命っていうか、人智を超えた問題っていうか」
そう結論付けて家に着いた。
次の日、いつも通りといえばいつも通りだけど、やっぱり昨日の空気も少し残るフロア内。
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