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「もー、アイツがあんなこと言うからこんなことになるんだよ! 『できちゃいましたー、結婚します、辞めます』でよかったのにさー。本当にバカ、マジで許さない」  怒りを露わに開けっぴろげにそう言う村瀬さん。 (あ……意外とこんな感じなんだ)  もっと落ち込んでるというか、暗い感じかと思ったから少し安心した。 「本当にセフレなの? 付き合ってるんじゃないの?」 「うん、セフレ。ヤるときしか会わないし、2人でどこか出掛けたこともないし。これって付き合ってるって言わなくない?」 「じゃーなんで子供作るって話になったの? ムラっち、小久保と結婚する気あるの? セフレなんでしょ? ごめん、本当に意味がわかんないんだけど」  お弁当を広げながら次々に質問をぶつける三井さん。 「んー……その辺はいーじゃん。アイツが子供ほしいって言ってたから。アイツは子供作るなら私と、って思ってたみたいだし……『じゃーアンタの子、産んであげる』って言ったらこーなっちゃったの!」  誤魔化すようにサラダを食べながら、かいつまんでそう説明する。 「えー? ちょっと本当に大丈夫? よく考えた方がいいよ。そもそもセフレでしょ? さすがに子供産むってさー」
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