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「……好きなんですよね? 小久保のことが。セフレだったのかもしれないけど……村瀬さん、本気で好きなんですよ、きっと。だから子供産んであげようって思ったんですよね」
思わず会話に割り込んでしまった。
「え、そうなの? ムラっち。じゃー小久保が悪いんじゃん。ちゃんと付き合わない小久保が悪いよ」
「いや、それは……その。まぁいーじゃん! 小久保が悪いわけでもないし。いろいろあるんだよ。いろいろ!」
「だめ! これでも一応ムラっちのこと心配してるんだよ? 本当に子供作って結婚するつもりなの? 今でもその気持ち変わらない? あとで後悔しても遅いんだよ?」
口籠もりながら話を切り上げようとした村瀬さんに、食べるのをやめて真面目に語りかける三井さん。
「あ、あの。このタイミングでこんなこと言うのも何なんですけど……実は飛鳥さんに『村瀬さんが何か言ってたら教えてほしい』って言われていて。密告するみたいで嫌だからって断ったんですけど……」
「いーよ。八重田さんの好きにして。今さらだし。飛鳥さんに言いたければ言っていいよ。ただ小久保には言わないで。三井さんも……アイツには余計なこと言わないで? お願い」
静かに私と三井さんを見る。
「わかった。言わないよ」
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