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「違いますよ! ある女性が同じ部署の人とセフレで、できちゃった結婚狙ってるって言うんですよ? それで、女はすぐ辞めるから迷惑だってバカにされて……八重田さんが擁護するからおかしいって言っただけです」
「は? なにそれ。首都圏統括、すごいな。今井、マジで?」
なっちゃんの説明を聞いた杉下が信じられないといった感じで俺に聞いてきた。
「まぁ、要約するとそんな感じだね。……でも、いろいろあるんだよ。もっと色んな深い話が絡んでるんだよなー。なっちゃんにはまだ難しいんじゃない?」
「なんですか? それ」
「大人の女性の話でしょ? 好きな男の子供を産んであげたいっていう気持ちと、子供ができなかったら申し訳ないって気持ちと……仕事も大事だけど、自分の年齢考えたら焦るしさ」
「なんか、今井の話聞いてるとすごいね。そりゃ、なっちゃんの出る幕じゃないわ。八重田さんレベルじゃないと、とても論じられないな」
杉下が感心したように納得している。
それから数日後。
「おつかれーっす。図面取りに来ましたよ」
「あ! セフレの人」
俺の元に急ぎの図面を取りに来た小久保になっちゃんが大きな声で言った。
「こら! なっちゃん! しーっ」
慌てて止めたけど手遅れだ。
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