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「え? セフレ? 小久保くんが?」 「あー、首都圏統括で揉めてたってやつですか?」  近くにいた数人の設計が気付いてしまった。 「もー、ごめんね。小久保くん」 「いや、いーっすよ。もう、慣れました。首都圏統括でも散々なんで……はぁー。疲れた」  珍しく落ちている小久保。 「大丈夫? あのあと彼女と話し合ったの?」 「まだ。っつーか、正直どうしたらいいのか分かんないんっすよねー。なにしろセフレなんで。普通に会ったことないし」 「ふーん……おじさんでよければ話くらい聞いてやろうか? キミにはまぁ、世話になったし」  以前グチを聞いてもらったりした借りがあるし、小久保の様子が少し心配になった。 「マジっすか? 話聞いてもらえます?」 「うん、いいよ。明日は? 金曜だしさ、そっちまで行ってもいいし」 「お願いします」  どこかホッとしたように図面を持って首都圏統括に帰っていく小久保。  翌日。 「あー、おつかれ」 「おつかれーっす。マジで助かりましたよ。もう、俺わけわかんなくて……今井さん、どー思います? 子供ができたら結婚するけど、できなかったら結婚しないって」  早速その話になった。
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