04

11/14
前へ
/799ページ
次へ
「キミ、相当嬉しかったんだね。舞い上がってて覚えてないなんて。結構、意外……。んー……とりあえず彼女の気持ちもう一度聞いてみた方がいいんじゃない? 俺もよくわかんないし……考え方が違いすぎて」  どこか常人離れしているような気がする。少なくとも俺には彼女の気持ちは到底予測もつかないし、恐らく理解も難しい。 「そーなんっすよねー。わかってるんっすけど……」  ため息をつきながら、大きく相槌を打ちビールを飲む。 「なに……話聞けないの?」 「アイツに聞いたところで本当の気持ち聞けんのかなって思うんっすよねー。……最悪『面倒だからやめるわー』とか言われそう。そもそも、なんて言って話切り出すか迷ってて。ヤるとき以外会ったことないんで」 「じゃーヤろうって誘って話すれば? やめるわーって言われたらさ……その時はその時でしょ。その程度だったってことなんじゃない? 話聞いて本心かどうか、キミなら判断つくでしょ。とりあえず話すだけ話してみたら?」 「それもそーっすよね。いつまでも話先に進まないし……」  そんな風に納得した小久保と話は終わった。  遅い時間になり、家に着く。寝ている彼女を起こさないように静かに玄関を開けた。リビングに行き、風呂に入ろうと準備をする。
/799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5611人が本棚に入れています
本棚に追加