04

14/14
前へ
/799ページ
次へ
「え? 小久保、なんて言ってたんですか? ……もちろん内緒にします」 「『俺のこと本当に好きなのかわからない』って言ってたよ。好きだとか愛してるって一度も言われたことないって。軽いノリで子供産んであげようかって言ってるだけかもって」  聞いたことをそのまま話した。 「そんな……なんで? そんなことないですよ。あんなに強く小久保のこと想ってるのに。小久保の子供だったら一人でも責任持って育てるとまで言ってましたよ。そんな軽い気持ちじゃないです」  本当に信じられないといった様子で戸惑っている。俺も信じられない。そんな強い気持ちがあるのに、なんで小久保にはそれが伝わっていないのかと。 「あ! 内緒ですよ。小久保には絶対。村瀬さんから口止めされてるので。小久保にだけは言わないでって」 「うん、わかった。……でも、あの2人本当によく話し合った方がいいな。全然気持ち通じ合ってないじゃん」 「本当ですよね。なんかもどかしいです」  お互い秘密にすると約束してその話は終わった。
/799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5610人が本棚に入れています
本棚に追加