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「またかよ。昨日もシただろ? 仕事で疲れてるんだよ」
蓮は勘弁してくれとばかりに声を低くして言った。
璃空と叶衣の披露宴会場で子作りをしたいと言った七海。最終月経と排卵日を調べ、排卵日の3日前から連続5日間、子作りに協力しろと言ったのだ。
先週は月経中だったために七海からの猛烈なプレッシャーから免れていたが、月経が終了すれば、当然やってくる排卵日。
天国から地獄へ。そんな言葉がピッタリだと蓮は思う。
叶衣と付き合っていた頃には、週に一度しか会えない貴重な時間だったために、月経中でも叶衣を求めることもあった。
しかし、相手が七海となり毎日顔を会わせるようになれば、わざわざそんな時に抱く必要もない。
加えて、溜まりに溜まった性欲を発散させたければ七海の体に反応もするが、すでに4日目となったセックスレースを今夜も全力疾走することなど蓮には出来そうもなかった。
「仕事で疲れてるのは私も同じよ! 蓮も子供欲しいって言ったじゃない!」
「いつかはって意味だろ。自然にできればそれが1番いいに決まってるだろ。毎日毎日、義務みたいにセックスさせられる俺の身にもなってよ」
「させられるってなによ。夫婦なら当然でしょ? それに、あんなに性欲強かったじゃない。今になってなに弱気なこと言ってるのよ」
そんなことをいう七海に盛大なため息をつく蓮。あんなに性欲強かったと言われても、週に1回の叶衣とのセックスに加えて2週間に1回程度七海と体を交えたくらいだ。5日間連続フルに射精し続けるなんてサルじゃねぇんだから、とさすがの蓮も頭を抱えた。
「子供なんて無理に作るもんじゃないだろ?」
「そんなことないわ。きっとお義母様は、私を蓮との子供を生むための嫁だと思ってるもの」
まあ、そうだろうな。そうは思うものの、そんなことは口が裂けても言えない。
「考え過ぎだよ。子供なんて、いずれできる」
「そんな悠長なこと言ってられないのよ! 先月も先々月も5日間連続でシてもできなかったのよ!? そんなに簡単なことじゃないんだわ、きっと」
鼻息を荒くする七海に、ヤる気は感じるが全く魅力は感じない蓮。体にピタッと張り付くようなタイトなタンクトップにすらっと美脚が伸びるミニスカート。以前の蓮なら飛び付いただろうが、連日体を強調させた服装を見せられても、もはや4日目だ。先月も先々月も同じような光景を目にしているわけで、特別感もなにもない。
「場所を変えてみたらどうかしら?」
七海は、ふんっと顎を突き出し、挑発するような態度で蓮の書斎に入り込んでくる。
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