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憧れが一転
キナリヤはある寺に来ていた。
「おい、サマント、まだ妖怪は捕まえられないのか?」
「すばしっこいから」
「雇ったらどうだ?」
「何を?」
「見習いの陰陽師だ」
「何で?」
「お前も休んだ方がいい」
「じゃあ、他の人を。ん?」
「あっ」
「君は誰だ?」
「あの、陰陽師に憧れてるものです」
「ちょうど良かった。代わりの人を探してたんだ。俺の代わりに妖怪を捕まえてきてくれるか?」
「いきなり言われても」
「そうだ。サマント。何も知らない少年に押し付けては」
「はじめは見本を見せるよ。護符も持っていないんだろうし」
サマントは目で合図する。
「着いてきて」
「はい」
サマントの後を着いていくと、何やら、道場みたいな部屋に。
「ここは訓練場だ。護符を持ってこの呪文を唱えるんだ。力が宿れば成功だ」
キナリヤは集中して力を込める。護符が光り出した。
「成功だ」
「これが」
「お前、素質あるな。明日から頼むわ。今日はしばらく訓練だな」
キナリヤは日が暮れるまで、訓練に励んだ。
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