僕の欠片 1

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僕の欠片 1

「お前に俺の何がわかるっていうんだよ。いまの俺のことすら、知らないくせに!」 さっきまで泣いていたのか、目が赤い。いもじゃは吐き捨てるようにいう。 しばらく整髪に行っていないのか、いつもより髪がもっさりしている。 メガネごしに上気しているのがわかる。ニキビ跡が余計に赤くなっている。小鼻は皮脂でぬるんでいるように見えた。 頬に手を添える。 抱き寄せ、皮膚のなだらかな凹凸に唇をよせ甘噛みをする。 いもじゃは肩をしゃくりながら体を預けてきた。 首筋、耳を甘噛みし、頬に頬をすり寄せる。なんでこんなに惹かれるんだ、醜いのに。 いもじゃの顎を引き口づける。首筋に顔を寄せる。体温に混じり立ち上る家のにおい。自分の腕の中のいもじゃの肌は、なんて、心地がよいんだ。
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