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ほとんど見放されてはいたが、この地域でまた息づいている、古びた家父長制では自分はまだ長男だった。
逃げ出したら、探され、連れ戻されるかもしれない。
それなら。
いもじゃと関係している肌色場面の最小値をプリントアウトをして、封筒に入れ三軒隣の家の郵便受けに投函した。
親族で一番口が軽いおばさん。
明日には情報は親戚一同にまわっているだろう。
気位の高さだけは立派な一族だから、一族外には漏らさないだろうし。
これで僕のことは諦めるだろう。
もしダメだったらそのとき考えたらいい。
悪いな、誠人。
後はよろしくな。
これから巻き起こるであろう騒動と、都会から地元に連れ戻されるであろう、かわいい弟に思いをはせながら、僕はいもじゃの所に向かう上り電車に乗り込んだのだった。
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