僕の欠片 2

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自分たちはよく分からない関係のまま、身体をつなげあった。 家の物置や、山中の狩猟小屋、廃屋、僕の部屋、いもじゃの家。人気の無い場所を求めてあちこちを彷徨った。 最初の失敗を繰り返さないために親の部屋から避妊具を失敬した。 あの後、僕は性器が痒くなり、いもじゃは腹をくだしたそうだ。 精液は体内に残すと下痢をするらしい。雑誌に書いてあった。 日焼けの熱冷ましジェルを中に入れ十分に慣らす。いもじゃも洗浄をおぼえて僕と会う前にはきれいにしてきた。 今日は誰も居ないという、いもじゃの家に来ていた。いもじゃの家は元々祖母が一人で住んでいた。 都会に出ていたいもじゃの父親は、離婚後いもじゃを連れ実家に戻ってきたのだ。   親戚から漏れ聞く情報だと仕事か事業に失敗したらしい。 祖母は長いこと入院しており女手がない。いもじゃのもっさりした頭髪も、くたびれた衣服もそれで納得がいった。 古いこじんまりとした線香の染みこんだ年寄り臭い家の部屋の畳の上でちちくりあう。 唇を重ね合いながらお互いの服を脱がす。手は相手のどこかに触れ、常に刺激し合う。 名前の無い関係性。 以前はイジメの加害者、被害者、同級生だったが、今は違う。 今の自分たちは共犯者だ。共犯者が相応しい。
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