株式会社ネバーランド

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家に帰ってからもずっと彼女の泣き顔が頭から離れなかった。 あんなに楽しそうに夢を語っていた彼女が泣きながら夢のことを話しているのを見るのは初めてだったから。 …それだけじゃない。 きっと俺は彼女と一緒に夢をみていたんだと思う。 彼女の泣き顔が頭を巡りながら、『人の役に立ちたい』そんな夢を小さい頃想い描いていたことを思い出したんだ。 だから彼女の夢を聞いて俺に出来ることを手伝う事で疑似的に俺も一緒にその夢を見ていた。 それなのに彼女の夢は絶たれた。 必然的に俺の夢も…だ。 俺はこれから何か仕事を見つけて働いて、無理矢理にでも社会に紛れ込むことは出来る。 夢なんて見ないでも生きていけるから。 ─でも、本当にそれで良いのか? あんな彼女を放ってはおけない。どうにかしたい。 それは彼女の為じゃない。 一度自覚して分かった。 俺も彼女の夢が叶うのを見たかったんだって。 それがいつからか俺の夢にもなっていたんだと。 気付けば彼女にもう一度夢を追いかけてもらうためにはどうすればいいのかを考えていた。 こんな俺の言葉を聞いて彼女がまた夢を見るのかと言えば、ただの先輩が言う事でそう簡単に思い直せるわけがないだろう。 沢山悩んで今の状態に落ち着いたのだろうから。 でも、きっと彼女は今もまだどこか諦めきれずに抱えていると思うんだ。 そうでなければあんな風に泣かないし、笑わない。 あの表情を思い出すだけで胸が締め付けられる。
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