株式会社ネバーランド

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芸能人とか、ミュージシャンとか、スポーツ選手とか、そういった才能を持った『特別』と言われる存在になりたかった訳じゃない。 ただ『普通』になりたかった。 周りと同じように学生から社会人になって、いつかは誰かと結婚して家庭を持って…。 そんな『普通』。 でも、その普通にもなれなかった。 俺にはある意味その『普通』が一番難しいことだったのかもしれない。取り繕う事でしか普通に擬態出来なかったのだから。 じゃあ、いっそのこと普通で無くなれば少しは息の出来る生活が出来るのだろうか。 どうせどこにも安定なんてものが無いのなら、『普通』でいられないのなら、『特別』でもない社会のはみ出し者として生きていけるのなら…。 生きやすいを求めた先には何があるのか分からないけれど、俺も彼女のように何かしたくなった。 それが俺の今の夢で、するべき事なのかもしれない。
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