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「あっ悠」
「てか、なにやってんだよ、早く電話にでろよ」
「何度電話したと思ってんだよ」
「LINEだって既読がつかねえし、いままで何やってたんだよ」
と、まくしたてる誠に対して静かに「俺のこと知らないんじゃないの」とボソりと返す。
「だから、さっきは悪かったって、とっさだったから知らないとかいっちゃったけど」
「どっちでもいいけど、もう連絡してくるな」
「は?」
「だから、ごめんって言ってんじゃん。飲み会で誘われて断れなかっただけだから」
口調から、少しイライラしているのがわかる。
「そんなことも、どうでもいいし」
冷たく言い放つと、
「え?」と意外そうな声をだした。
誠は俺があやまるとか、縋すがるとか思ったんだろう。
いままでは、誠に付き合ってもらっているという負い目があって、いつだって下手(したて)に出ていたが、これからも恋人として付き合いたいとも思わないし、もうどうでもいい
「別れるって言ってんの」
「は?え?」
「ちょ・・まって」
「今から会おう、ちゃんと話そう」
いつもとちがう俺にあわてた様子で言葉を続ける
「てか、お前ってセックス下手すぎ、いつも感じてるフリしてたけど退屈だったんだよ」
「ええ!!」
「じゃあ」
「ちょ・・・
話の途中で電話切り、着信拒否をする。
LINEもブロックをかけた
「すっきりした~!」
大きな声で叫んだら、回りを歩いていた人が振り返る
普段なら恥しいとか思ったかもしれないが、とにかく爽快だった。
なんで、あんなに我慢してまで付き合ってたんだろう。
無理してたって自分が辛くて惨めなだけだったのに
なんだかゴウさんのおかげで吹っ切れた
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