1277人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
謎の男は救い神
誠と一瞬目が合い、ちょっとの間視線が絡んでしまった。
あのスキン、この子と使ってたんだ。
呆然と立ちすくんでいると
ぼよよん女子が俺と誠を見比べて
「え~なに?まこの知り合い?」
甘ったるく誠に聞くと
「いや、全然知らないひと」
誠は一言、言い放ちそっぽを向く。
まことか呼ばれてるんだ・・・てか、これってめちゃ惨めな図だよな
何事もなかったようにこの場を去りたい。
右足を出して、左足をだす。
すごく簡単で、単純なことができない。
まるで、足の裏から地面に根が張っているようだ。
「ふ~ん、まこぉ~この後どうする?カラオケしちゃおうっか」
「あっ、いや今日はもう・・」
気まずそうな誠をよそに
「カラオケは歌だけだよぉ、えっちぃ」
そうかカラオケとかも一緒に行ってエッチなことしてんだなと思うと
3ヶ月付き合って、ラブホ以外に行ったことがないことに気づいた。
そんなところでイチャつかないで早く行ってくれればいいのに、
てか、俺の足・・動いてくれよ
ここで猛烈に穴を掘りブラジルまで落ちていきたいと思ったその時
背後から軽いタッチで肩を抱かれた
「悪い、待たせたか?」
そう言うと男は、スマートに悠歩をエスコートして誠達が出て来たホテルへ誘導した。
一瞬、誠の姿が見え、驚いた表情をしていた。
そりゃそうだ、一番驚いてるのは自分だし、
でも、あの場から救ってくれた見ず知らずの人に感謝した。
あのぼよよん女もとい、頭のゆるそうな女が
「えっなになに、リアルBL」と言っているのが聞こえた。
誠って趣味が悪いなと思ったが、誠とセックスしてる俺も趣味が悪いのかもしれないと思うとさらに気分が落ち込んでしまった。
「あれが彼氏?」
声を掛けられて男をみると
175cmある悠歩よりもさらに背の高い切れ長の目に黒髪を軽く流した悠歩よりも年上にみえる男性だった。
最初のコメントを投稿しよう!