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悠歩がベッドの上で呆然としていると、眼鏡はしていないがグラントの時のように黒髪を後ろに流し、動きによってうっすらと柄が見えるシャドーチェックのスーツを身に纏った郷が悠歩のもとに来てベッドに腰かける。
「おはよう悠歩」
いつもと変わらない郷の態度に泣きそうになる。
「昨日のこと怒ってないの?」
「昨日?」
「その・・・出来なかったり、断ったり・・・」
一瞬、郷の表情が険しくなる。
あまり見ることの無い表情に悠歩は萎縮していると、郷は「はぁ」と、一つ息を吐く
「昨夜のことで私が腹をたてる要素は何も無いでしょう。むしろ、唐突に一緒に住もうと言ったのは先走りすぎましたし、セックスは昨夜も言いましたが、あくまでも二人の気持ちとコンディションの問題で片方だけの気持ちでするものじゃない」
「むしろ、そんなことに腹をたてるような人間だと思われていることに、少しカチンときました。」
郷は悠歩の泣きそうな顔を覗き込むと、その頬を優しく撫でた
「すみません」
「いひゃん」
唐突に郷に強く乳首をつままれ固まってしまった
え?何?
「悠歩が意味もなく私に謝ったら、ペナルティとして乳首をつねります」
「が、この様子だと、罰になって無いようですね」
そういうと、笑いながらキスを落とす
確かに、少し痛いけど気持ちがいいほうが勝っていたかも
「ごめ・・・」
また謝りそうになって、あわてて口を押さえる。
郷はそんな姿の悠歩がいとおしく感じるが、もっと感情をぶつけてくれたらいいのにとも思う。
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