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「今日は打ち合わせがあって、もう出掛けないといけない。」
「悠歩はどうします?ゆっくりしてもらってもいいですし、夕方には戻るので夕食を一緒にできたら嬉しいですが」
「いていいの?」
「当たり前じゃないですか。むしろ、そうしてくれるとわたしも嬉しいし、仕事の頑張りがいがあります」
悠歩はみるみるうちに全身が赤く染まっていく。
郷は「それから」と言ってサイドテーブルの引き出しを開けて一枚のカードを取り出すと、悠歩に手渡した。
「え?これ」
「ようやく出来てきました。部屋の鍵です」
「これがあれば、自由に部屋に入れますから、何時でも来てください」
「夜中に寝込みを襲ってもいいんですか」
「夜這いは大歓迎ですよ」
そう言ってから悠歩の耳元で「足腰たたなくなるくらい返り討ちにしてあげます」
ニッコリと微笑む郷
「冗談になってないけど」
「冗談じゃ無いですから」
二人で顔を見合わせて笑ってから軽く唇を重ねて郷は出掛けて行った。
ベッドの上でカードキーを眺めながらゴロゴロと転がる。
合鍵とか渡されたの初めてなんだよな〜。
こんなに嬉しいんだ!一緒に暮らすのはフラれた時が怖いけど合鍵をもらうくらいなら大丈夫だよね。
後で買い物をして、夕飯は何かすごいものを作って郷さんを待とう。
なんとなく新妻みたいだとニヤニヤが止まらなかった。
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