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「あの・・ありがとうございます。ちょっと、さすがにショックで動けなくなってしまって・・」
と、言い訳ともつかないことを言っていると
「この部屋でいい?」と、なぜか部屋のボタンを押していた。
「は?」
あまりにも自然にことが進んでいくことにびっくりしすぎてぽかんとしていると
「向こうも楽しんでいたんだし、嫌なことはスッキリして忘れるにかぎるよ」
そういって今度は腰に腕を回してスマートすぎるほどスマートにエスコートされる。
まるでボールルームへ向かうダンサーというか、自分で言うのも恥ずかしいが童話のお姫様にでもなったような気分だ。
もともと誠はノンケだったし、こういう結末も予想できなくもなかったかな・・・
エレベータにのり、選択した部屋番号の扉の前に来ると男はピタリと歩みを止め
「この扉を開けるのは悠歩、君次第だけどどうする?」
「え?」
ここまできてのこの発言というか、なんで俺の名前を知ってるんだ?
「いやならここで帰っていいし、OKなら部屋に入って」
この人・・・ずるい・・
俺がもう断らないことをわかった上で、こんな風にかけ引き、
いや、もうかけ引きにもなってないことを言う。
俺が扉を開ければ完全に同意ってことだ
「はぁ」と一つ息を吐いて、悠歩はノブを押して部屋に入る
・・・・!
すごい豪華だった・・
普段はシンプルでとにかく安い部屋ばかりだったから部屋のゴージャスさに圧倒されてその場に立ち尽くした
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