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女流最強とのVS
小夜が女流皇座戦で記録係、そして村田との事もあるが、順位戦が近い一輝達を気遣い、現在研究会やVS相手がいない鎌田であったがある決心をしてスマートフォンを取り出し電話をする。
「はい、関西将棋会館です」
「あ、あの私奨励会三段の鎌田美緒と申します、ちょっとお願いしたい事がありまして」
「どういったご用件でしょうか?」
「あの、関西所属の宮里春香女流三冠の電話番号を教えていただく事は可能でしょうか?あ、もちろんご本人がよろしければですが」
鎌田は関西将棋会館の職員に宮里春香女流三冠の電話番号を尋ね、それについての返答が職員より帰ってくる。
「本人に確認しますので、また時間をおいて折り返しご連絡ください」
「あ、はい、お願いします」
その後しばらく鎌田はパソコン等で将棋の研究を行い、昼食を終えてからしばらくすると再度関西将棋会館に連絡をする。
「はい、関西将棋会館です」
「あ、すいません、先程お電話した鎌田ですが」
「ああ、鎌田さんですね、宮里さんから教えていい許可を頂きましたので教えますね、番号は……」
「……はい、ありがとうございました。失礼します」
職員より宮里女流三冠の携帯電話の番号を聞き、それをメモしてから職員に礼の言葉を言ってから電話を切ると早速鎌田は再度スマートフォンに番号を入力し、電話をかける。
「はい」
「あ、すいません宮里春香女流三冠ですか?」
「はい、あ、さっき関西将棋会館の人に電話番号の許可のお話が来たんですけどもしかして鎌田さんですか?」
「はい、鎌田です、お忙しい中ありがとうございます」
「いえ、それで私にどういったご用件でしょうか?」
「……宮里さん、女流皇座戦の期間中だけでいいので私とVSをやっていただけませんか?」
なんと鎌田は宮里に対しVSの申し入れをし、一瞬宮里は驚くが、すぐにその理由を尋ね返す。
「え?私と?その前にどうして私なのか教えてもらってもいいですか?」
「ええっと、ちょっと色々あって研究会が中止になったりVS相手の牧野女流は次局で記録係をする事になり、現状練習相手がいなくてお願いしたんです」
「そうなんですね、だけど鎌田さんは東京、私は関西所属ですし、移動だけでも時間がかるし、女流皇座戦の期間にそんなに多くはできないかと思いますよ」
「ネット対局でも構いません、ラインとかを使えば感想戦もできますし」
「……分かりました、私としてもあなたほどの方との練習は願ってもいないチャンスですから」
「ありがとうございます、よろしくお願いします!」
どうにか宮里春香女流三冠とのVSをこぎつけた鎌田、次局までの時間は残り少ない中、どこまで突き詰める事ができるのか?
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