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「そうだね。半年くらいだね。
付き合うまでが楽しいみたい。だからすぐ飽きるらしいよ。あたしには分からないけど。
でも、一人にはなりたくないから誰かをキープしたい。それがあたしだったわけ。もう、やめてって感じ。
ただ、実家に戻ると会社まで遠いんだ。一度市内に住むと出れないね」
「あ~そういうタイプの男か~一番厄介な性格だね。どっちの立場にされても嫌になるよ。
実家に帰ってないんだ。それなら独り暮らし?」
彼女になら話してもいいけど、菜苗がいるところでは無理だ。あいまいにした。
「とりあえず頑張ってるよ。でも、イラッとすることなくなったから、精神的には楽。しばらく男はいらないって感じだね」
あたしたちの会話を、菜苗は固まったまま聞いている。彼女にようやく気づいたふりで、あたしは声を掛けた。
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