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司郎と菜苗がどうなったか知らないうちに、引っ越してから一か月半が経った。その日、あたしは社食で、彼女が仲のいい子たちと話しているところを見かけた。
少し気になったので、彼女たちからそれほど遠くないテーブルに座った。菜苗の背中側なので、気づいていないようだ。
親子丼を食べていると、彼女たちの声が聞こえてきた。
「でも、大丈夫なの?」
「何が?」
菜苗が同僚に、何かを頼んだらしいと分かった。
「だって、少し前に旅行したんでしょ。バレたらヤバくない?」
「それは大丈夫。別れたから」
別れた?
あたしはかなり驚いたけど、菜苗の周りにいる子たちも同じようだ。
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