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「ええ!ラブラブだって……」
そんなことを言っていたのか。先輩の恋人と隠れて付き合うのは、そんなに気分がいいのだろうか。理解できない。
菜苗は、つん、という雰囲気で答えてきた。
「浮気性でさ、他にも女いたんだよね。さすがに無理かなって」
自分のことをよく言えると呆れたけど、あたしは黙っていた。
最近、司郎と共通の友人から、あたしに会いたいと連絡が来た。
理由を訊くと、司郎が、あたしが帰ってこなくなったから心配で探していて、まず、自分と会ってほしいと……もちろん、完全に拒否した。
菜苗と付き合っているのだから、余計にありえないと思って。まさか、別れていたとは……
当たり前だけど、あたしは引っ越した後、司郎の番号やアドレスをすべて拒否設定した。番号を変えれば設定は必要ないけど、あちこちに連絡しないとならない。
あたしがどうして、そんな手間を掛けないとならないのよ、と思ったから、変更しなかった。
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