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そこまでされたにも関わらず、共通の友人に助けを求めたということは、司郎にとってあたしは、よっぽど都合のいい女だったらしい。
ただ、それはあいつにとっての都合で、あたしのことは一つも考えていない。
拒否していれば諦めるだろう。心を入れ替えて、修復のための努力をする性格ではない。仮にあたしが戻ったら、家事や生活費の負担を押しつけて、若い女とまた遊ぶはずだ。
菜苗との破局が想像以上に早かったのは、あたしが出ていった責任を彼女に負わせたのかもしれない。あたしの代わりに家事をすれと迫っても不思議ではない。
でも、菜苗はできないか、一人でするのが嫌だと言ったと思う。
あたしは違ったから、すぐに追いかけなかったことを失敗だったと司郎は思ったのだろう。
(会社来るかな?)
少し心配になったけど、友人経由で接触しようとしたということは、来る可能性は低いのではないかと思った。
菜苗とどんなやり取りの結果、別れたかは知らない。知りたくもないけど、ものすごく揉めたとしたら、お互いに会いたくないはず。そうなれば、面倒を嫌がる司郎は来ないだろう。
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