第一章 まず、談捨離

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第一章 まず、談捨離

 「あ~腹立つ。  ……ちょっと。無視して飲んでないで、あたしの話を聞きなさいよ」  テーブルの向かいに座る詩穂(しほ)は、あたしの荒れようを見て、いつものことだと言いたそうな態度でチューハイを飲んでいる。  (いら)ついたあたしは、串を(つか)んで焼き鳥の肉を歯でかじると、そのまま串から引き抜くようにして食べた。  鳥といっても豚肉だ。洋からしのツンとする刺激が、甘いタレと合っていて美味しい。  「相変わらず豪快に食べるわね。見てたら私も食べたくなるわ」  言いながら詩穂は、手を上げて店員を呼んだ。  「豚精(ぶたせい)(豚肉と玉ねぎの串もの)。ザンギ(唐揚げ)と月見つくね……」  「あ、豚精は四本。それとチューハイ。ゆずジュースで」  あたしが注文を引き継いだ。  「あと、野菜焼きのアスパラともろキュー」  注文を終わらせたあたしが詩穂を見ると、彼女は頷いた。
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