一番大切な人に捧げる二番目の

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「んー、知らないなぁ。彼氏からもらったとかじゃないの?あるいは、自分の服についてたのを忘れてるだけとか」 「でも歴代の彼氏からボタン貰った覚えなんかないし、自分のだったら「大切な物入れ」に入れてないと思うんだよね。なんで思い出せないんだろう。高校の制服の第二ボタンってこともないしなぁ」 「制服の第二ボタン」と美雪がおかしそうにオウム返しに言う。 「なによ?そういうことだってあるかもしれないでしょ?まぁあったらさすがの私も覚えてると思うけど」 そう口にした時に何か引っかかったような気がしたけれど、どうしても思い出せなくて夏海は首を振る。 「まあ、どっちにせよ過去の遺物だろ。捨てとけよ」と秋本がやけにぶっきら棒に言うので「あんたにはロマンってものがないのか」と毒づいてみる。 「あったとしてもお前らには見せねぇ」と言い返されて憮然とする。 全く、腐れ縁ここに極まれり、だ。
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