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私はいつもこの博物館に来る。入場料無料だし、なんと言っても
「今日も会ったね」
最近のお気に入りの展示物のミイラ君。期間限定で飾られているらしいけど私以外だーれも見向きもしない。
首には何か書かれている札、手には重々しい手枷。
ガラスケース越しに私はミイラ君に恋してる。
一体生きていた頃はどんな人だったの?
どんな生活をしていたの?
聞いてみたい。
って、無理なのは分かるけど。
「間もなく閉館のお時間でーす。館内に残っているお客様いらっしゃいましたらお帰り下さーい」
あぁ、もう閉館かぁ。
「またね、ミイラ君」
私がミイラ君に背を向け帰ろうとした瞬間
ゴゴゴゴ…
「えっ…きゃぁ!!」
地震?!しかも大きい!!
ガシャンガシャンと周りの展示物が崩れていく。
(逃げなきゃ!でもミイラ君……ぇ?)
なんとガラスケースの中でミイラ君が倒れている!って、手枷が壊れる!
「お客様!お逃げください!」
係員が私を引っ張った瞬間、パリーンとガラスケースが割れる。
「きゃああああ!!」
ヤバイ…私、死ぬのかな…
目の前にスローモーションでミイラ君が倒れて来るのが見える。
「……ネルガル?」
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