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何故か札に書いてある文字が分かった。今まで読めなかったのに…
「……」
尖った大きなガラスが私めがけて飛んでくる…
(さぁ、この世とお別れよユノ.絵、売れなかったけど楽しかったなぁ…おじいちゃん、今からそっちに行くからね…)
目を閉じたが…いつまで経っても痛みが襲ってこない。
(もう死んじゃったのかな…私…)
瞼を開くと…
「えっ?」
時が…止まっていた。なんで時が止まっているのが分かったかと、目の前でミイラ君がガラス片を握っているから…
「どして…?」
ミイラ君はガラス片を投げ捨てると私を抱き上げて走り出した。
「え、ちょ…ええええっ?!」
パリーンッ
後ろを振り返ると係員は無事なのが見えた。
ほっと安心…じゃなくて!
「ミイラ君生き返ってるぅぅぅぅ!!!」
私の絶叫は街に上がる悲鳴やガラスが割れる音にかき消され、誰も気付かないまま何故か家の前までミイラ男に連れて来られてしまった。
「ど、どうしよ…ってかどうしてミイラ君生き返ってるの?」
「……」
ミイラ君は何も言わない。ひとまず私はミイラ君から降りると家の中にミイラ君を引っ張って連れて行く。
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