最終話「未来へ」

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そう言うとネルガルはカラカラの心臓を天に突き出す。 「開け!エ…」 「ちょーっと待った!家の中でやらないで!」 「あ…ハイ」 ネルガルを外に連れ出し、再びネルガルは心臓を天に掲げる。 「なーう!」 「え、セウテフ」 何故かセウテフが肩に飛び乗って来た。 「開け!エルドラドへの道!オレはネルガル!エルドラドを望む者なり!」 ネルガルの声は天に届き、空が割れ、エルドラドへの道が目の前に出来る。 「さぁ、行こう!ユノ!」 「うん!」 私はネルガルとセウテフと共にエルドラドへの道へ入る。 そして、エルドラドの最奥で秘宝に願った。 「オレの体を生き返らせてくれ!」 祈りは届き、ネルガルの体は生身に変わる。 「ネルガル…よかった…」 「なーぅ」 セウテフも祝福してくれてるかのようにゴシゴシとネルガルに体を擦り付ける。 「おめでとう、ネルガル」 私はネルガルに抱き着く。 あの時の、過去ネルガルと同じ姿のイケメン。 「有難う、ユノ!結婚してくれ!」 「いいけど…帰ってからね?」 「おう!」 私達は王都に帰ると婚姻届けを出す。 「これでオレ達、夫婦だな!」 「そうだね!ネルガル」 「じゃあ子供作ろう?沢山!」 「もう、此処じゃ駄目!」 抱き着いてくるネルガルを引き剥がして手を引いて私は家へと帰る。
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