第一話「博物館」

1/5
前へ
/65ページ
次へ

第一話「博物館」

「はぁぁ…」 今日も売れなかった。 毎日恒例の巨大なため息を吐き、画材をしまうこの作業。 私ユノは18歳の売れない絵描き。 毎日この商店街の隅でしがない絵描きをしている。 「はあぁ…」 またため息が出ちゃう。軒先の片付けが終わるとそのまま家に入り、決めた場所に道具を置く。 この家はおじいちゃんが残してくれた家。 家賃はないけど食べていくにはお金もいるし、おじいちゃんの残してくれたお金もあまり残っていない。 「ちゃんとした職に就いた方がいいのかなぁ…」 有名な絵描きだったおじいちゃんに憧れてなった絵描き。でも私の絵は全然売れなくて、たまにおじいちゃんの残してくれた絵ばかり売れていく。今日のようにお客さんが来ない日も慣れっこ。 「くよくよしてても仕方ないよね、おじいちゃん。 よしっ、今日も博物館に行こう!」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加