森田ユウタがやってくる

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これは私の小学生時代の話。 「まみにこの手紙を渡そう」 クラスメイトのきよみがそう話した。 机には1枚のメモが置いてある。 二人はそれを見る。 「吉田まみさんへ ずっとあなたのことが好きでした。 二人きりで会いたいです。 森田ユウタより」 「これは?」 りかが聞く。 「あの子に渡す偽のラブレターだよ。 あの子バカだからこの手紙を本当のことだと思うはず」 「森田ユウタって?」 しおりが聞く。 「適当に決めた名前だよ」 それを聞いて二人が笑う。 「きよみちゃんったら悪い子!」 「まあ、これを見たまみがどうするのか見ものよね!」 まみは三人が「面白くてかまっている」子だ。 かわいい見た目だけど、言葉づかいも行動も変。 泣き虫で子供っぽい。 その様子がおかしくてついかまってしまうのだ。 きよみが言う。 「待ち合わせ場所は誰もいない教室とかにして、 これを読んだまみがそこに行く。 でも誰もこなくて困っているところを一緒に見よう」 「「はははっ」」 三人は笑った。
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