3人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日の昼休み。誰のいない空き教室にまみはいた。
まみはじっとそこに立っている。
その様子を教室の外側の窓から、
きよみたちは笑いをこらえながら見ていた。
ふとまみがじっとこちらに視線を向けそうになったので、
急いでしゃがみ、身を隠す。
「ふふ、本当に来たね!」
きよみは楽しそうに言う。
「単純な子だね」
しおりは頷く。
「本当バカじゃないの~あの子に惚れる子なんているわけないじゃん」
りかがへらへら笑う。
「きゃあ!」
教室から叫び声が聞こえた。
きよみたちは驚いて立ち上がり、教室の中を覗く。
まみが黒板を指さして、震えていた。
まみは怯えたような表情をしている。
「あ、あなた誰?もしかして森田ユウタくん?」
まみは後ずさる。
「じゃあ、あなたが手紙を?そうなの?・・・
えっ、あ、いや、来ないで!」
まみはそう叫ぶと、走って教室から抜け出した。
走りながら去っていくまみの背中を見て、
きよみたちはポカンとした表情を浮かべた。
「なにあの子?」
りかが言う。
「知らないよ、まさか本当に森田ユウタを見たの?」
きよみが首を傾げる。
「まさか」
「じゃあ何なの?」
最初のコメントを投稿しよう!