森田ユウタがやってくる

4/17
前へ
/17ページ
次へ
次の日にきたまみは、顔色が悪く、表情も虚ろだった。 教室に入ると、自分の机に座り、頭を伏せる。 「どうした?まみ」 しおりがまみの机の前に来て聞いた。 りかときよみも後ろに立っている。 まみは顔を上げないまま言った。 「怖いよ。あれから帰宅するまでずっと森田ユウタがついてくるの。 家についてからもずっと窓からのぞいてくるし。 あれは何?ストーカー?幽霊?」 三人は顔を見合わせた。 「はあ?何のことかよくわからない」 まみは言った。 「今日も学校へ来るまでついて来たし、本当に怖い。 これからどうしよう」 きよみは言った。 「顔を上げなよ。もっと詳しく教えて」 まみはゆっくり顔を上げる。 するとまみは「ウッ」と声を出し、怯えた表情をする。 そしてまた顔を机に伏せた。 「何?どうしたの?」 りかが聞く。 まみは言った。 「森田ユウタがあなたたちの真後ろに立っているの!」 三人は後ろを振り向く。 そこには誰もいない。 きよみは言った。 「あんたの妄想じゃないの?」 まみは頭を机に突っ伏したまま、小さく首をふる。 「違う。本当にいる。森田ユウタが私を見ている」 「あんた頭大丈夫?」 りかがまみの頭に手を置く。 「私の頭は正常だよ・・・今起こっていることが異常なんだ・・・」 まみの体が震えた。 次の日、まみは学校を休んだ。 それからまみは学校へ来なくなった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加