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その日の夜、きよみがお風呂からあがり、洗面台の鏡で髪を乾かしていると、
後ろから
ググ・・・ズズ・・・ググ・・・ッ・・・ギギ・・・
という聞いたことのない音が聞こえた。
きよみは振り向く。
そこには何もいなかった。
「何だろう・・・」
きよみは疑問に思ったが、また鏡の方へ向き直ると髪を乾かす。
ギギ・・・ギギイ・・クク・・・ズズ・・・
「何なの・・」
ギギ・・・ガガ・・・ググ・・ギギ・・グググ・・・
・・・ハアハア・・・
人の息を吐くような音が聞こえたので、思わずまた後ろを振り向いた。
そこには誰もいなかった。
「本当何なの・・」
きよみはため息を吐くと、頭を正面の鏡に戻す。
きよみの側に男がいた。
痩せこけた顔は青く、目は赤い。歯ぎしりをしている口から
ギギ・・・ググ・・・と
さっきまで聞いていた音をたてている。
黒いマントをかぶっていた。
きよみは悲鳴をあげた。
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