森田ユウタがやってくる

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次の日、学校に来たりかとしおりはきよみの顔をみて驚いた。 見るからに顔が青くげっそりとしていたからだ。 「ちょっと、きよみちゃん大丈夫?」 しおりが心配そうに聞く。 「うん、昨日全然寝れなくて・・・」 「学校来てよかったの?今日は帰った方がいいんじゃ」 りかがきよみの背中をさする。 「ううん、家にいたほうが嫌なんだ・・・」 「え?それって家で何かあったの?」 「うん、嫌なものを見てしまって・・」 「嫌なもの?何それ」 りかがきよみの背中をさすりながら聞いたその時。 「ぎゃあ!」 きよみがいきなり叫んだので二人はまた驚いた。 「「何?」」 「また出た!」 きよみはそう叫ぶと二人に背を向けて走り、教室から出て行った。 きよみは走った。 通り過ぎる児童がきよみの様子を見て怪訝な目を向けるが、 それに目もくれることなく走った。 だって追ってくるのだ。 あの黒いマントの男が。 青白い顔で歯からギリギリと嫌な音を立てながらきよみを追ってくる。 足は地面についておらず、数センチ宙に浮いているようだった。 まるで風に流されているかのように速いスピードできよみを追ってくる。 昨日、洗面台でその姿を見かけて、 きよみが恐怖で叫ぶとマントの男は消えた。 「夢だったのか?」 そう思って髪の毛を乾かしおわり、少しだけテレビを見てから さあ寝ようとベットに入ったら、目の前にマントの男が立っていた。 歯をカタカタさせながら赤い目できよみを睨みつけている。 きよみは叫びだし、逃げようとしたが、何故か体全体が金縛りに あったように動かなかった。 黒いマントの男は口を開く。 「俺は森田ユウタだ・・・」 きよみの背筋から汗が流れる。 「よくもまみをいじめたな・・・許さない」 そこから夜が明けるまでマントの男はきよみを睨み続けていた。 (本当に森田ユウタが出た!) 走りながらきよみは思う。 (私たちがあんなイタズラしたからあんなものが出てきたの!?) そう思っているうちにきよみの足が階段にさしかかったが、 踏み外し、きよみは階段から落ちた。 うつぶせにきよみは倒れている。 体中から血が流れている。 「きよみちゃん!!」 そこに駆け寄るりかとしおり。 きよみはその声を聞いて少しだけ顔を動かした。 震える声できよみは言った。 「・・・あれは・・・森田ユウタ・・ きっとあんたたち・・・危ない」 きよみは目を閉じた。 「きよみちゃん!!!」
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