第四話 付与魔法

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第四話 付与魔法

「え?.......」 「いや流石に防具なしで行くのはどうかと.......」 「まあ確かに」 「だから行くまでの間だけ着るってことでいいかな?」 「まー仕方ないか、分かった先買いに行こう」 「うん、武器屋へ」  こうして僕と条夜は、武器屋へ向かった。 あれ?武器屋.......防具屋とかじゃなくて? 「さーてと、どれを買おっかなー?」 「条夜はどれにするか決まってるの?」 「防具だろー、普通ので良いんじゃね?」 普通ってどんなんだよ!、この世界の普通って?....... 「普通って?例えばどういうの?」 「そうだな、Dランクくらいが着るようなの」 まあ確かに真ん中だけど笑 「あ、そうだ!」 「ん?どうした?」 「仕佐は、付与魔法って知ってる?」 「付与魔法? ってなに?」 「まあ、知らないか」 「え?何どんなの?」 「付与魔法って言うのは、まあ簡単に言えば魔法を付与することが出来る魔法のこと」 「そのまんまだね.......」 「うん.......で!例えば剣とかに、強化魔法とかを付けると攻撃力が上がったり、切れ味が良くなったりするんよ」 まだまだ知らないことがたくさんあるんだなー、いろいろ教えて貰わないといけないな 「へーじゃぁ、たくさん付与できたら最強の剣とかが出来たり、するの?」 「うん、たくさん付与できたらね」 「どういうこと?」 「つまり、付与魔法も魔法だから魔力を消費するんだよね」 「あーなるほど、だから一度にたくさん付与できないんだね」 「そゆこと」 ん?待てよ1度にたくさん付与できないんだったら何回かに分ければ....... 「ねー!!」 「うわー!、びっくりしたー」 条夜相当びっくりしたな  僕は内心笑いながら、面に出さないように笑いを堪えて話を続けた。 「1度にたくさん付与できないんだったら何回かに分ければ出来ると思うんだけd」 「おーー!ナイスアイディア!天才か?!」 「じゃぁさ早速やってみようよ」 「付与魔法覚えるとこから?」 「あ.......そうだった.......」 そういえば2人とも、付与魔法持ってないんだった。.......はぁ.......  僕が、そんなことを考えていると偶然クエルフが通りかかった。 「2人ともどうしたの?」 「ああ、付与魔法持ってる人居ないかな、て」 「.......ここにいるよ」 「えっ、どこ?!どこ!?」  と言いながら僕は辺りを見渡す。 「.......僕だよ」 「.......えっ、もしかしてクエルフ?」 「うん、そうだよ.......」 「マジで?」 「うんマジで」 「ほんとに?」 「うんほんとに」 うわー、まさかこんな近くにいたなんてー(棒読み) 「で、どうして付与魔法が使える人を探してたの?」 「ああ、そうだった。そうだった」 「今から防具を買おうと思ってたんだけど」 「え?今更防具?」 「うん、一応ね。道中だけなんだけど」 「ああーなるほど」 「でさ、お願いなんだけど今から買う.......」 「防具に付与をして欲しい?って言うこと?」 「いや防具じゃない」  今まで一言も発していなかった条夜が突然言い出した。 「ああ、なるほど」  どうやらクエルフは、条夜の言いたいことを理解したらしい。 「えっ?!どう言うこと条夜」 「まあ、どうせならアクセサリーに付与させた方が使いやすいかなって、思ってな」 「確かにアクセサリーに防御系の魔法を付与した方が使いやすいのは確かだね」 「やろ!いい考えやろ」 「.......」  僕は2人のやりとりを見ながら、ポカンとしている。 「ん?どうした?仕佐」  それを見た条夜が謎に思ったのだろう。なぜか聞いてきた。 「ええと、話の意味が分からないんだけど・.......」 「そうだな。簡単に言えば、俺達は魔法を使うわけで、防具なんて基本要らないだろう?」 「確かにそうだね」 「だから、重い防具を着けるよりも、身軽なアクセサリーを買って、身につけた方が動きやすい。ていう感じで伝わるか?」 「なる.......ほど?大体分かった。とりあえずこれだけは分かる」  そう言って僕が一言放った。 「付与魔法ってすごいんだな!」 「お、おお.......ボソッ絶対分かってないな」 「で、どんなアクセサリーを買うの?」 「そうだな、指輪とかネックレスかな?」 「え、男がネックレス?!」 「ん?どした?ネックレスはいやか?」 「いやそう言うことではないけど.......」 「よし!アクセサリーショップへGo」 あ、おい!.......はーしんどいなこれ、まあいいや  そして3人はアクセサリーショップへと向かった。 「さっさと買って付与しよう」 「そうだね、そろそろ討伐しに行った方がいいよね」  そして指輪とネックレスを2人分買った なんか装飾が気になるけど.......気にしたら負けだ 「さぁ付与の時間だ!クエルフ、何を付与できる?」 「そうだなー、何でもいいよ」 「分かった」 え?何でも.......すごいな、何でも付与できるって言うことだよな? 「じゃぁ取りあえず、物理障壁でも付けてもらおうかな」 「いいよー、ちょっと待ってね」 軽っ、そんな簡単に? 「え、そんな簡単に付与できるの?」 「うん、すぐできるよ」  そして取りあえず物理障壁をネックレスに付与してもらった。 取りあえず....... 「おおーすげー!」 特に変わってない気がするのは、僕だけ? 「仕佐!これ付けてみて」 「え、うん」 こんなんが本当に効くのかなー? 「よし、いくよー」  と言うと、僕に向かって突然殴りかかってきた。 いや怖っ....... 「え、おいまっ.......」  僕は思わず目を閉じた。だが痛みを感じなかった。 あれ?痛く、ない 「すごい!、全然痛くない」 「だろ、これが物理障壁」 「物理って事は、魔法は効くの?」 「そうだよ、『物理』だからね」 「だったら魔法を防ぐ方が良くない?」 「そうだよ、最初に行ったでしょ『取りあえず』って」 「あ、うん言ってたね」 「他にも何か付与しとく?」 「そうだね、耐性とか、かな」 「あー、なるほど。何の耐性が良い?」 「うーん、俺は水と風の耐性しか持ってないからな」 「仕佐くんは?」 「僕は、初歩魔法耐性しかない.......」 「逆に凄いね.......初歩魔法耐性だけって」 「あーうん。だよね.......」 どうしよっか全部の耐性付けて貰うのは無しとして 「じゃぁ僕は、水と土の耐性を付けて貰おうかな?」 「いいよ、どうして水と土?」 「水属性と土属性だけ持ってないから」 「あー、なるほどね。早速付与するね」  そして指輪に物理障壁、ネックレスに水と土の耐性を付けて貰った。 これで何とかなるよね
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