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私も自分のお弁当を食べながら、ぼんやりと
寿退社かぁ…結婚はまだ考えられないなぁ
と、思った。
「あ、先輩、本日中に提出の見積もり書って、あと何件ありましたっけ?」
荒井さんの言葉に、話題が変わる。
午後は明日の朝までに提出する、請求書作成とかあるから、私は手伝えないからね〜?と、佐々木さんが意地悪そうに荒井さんに言うやり取りを見ながら談笑した。
午前中のバロメーターゼロから、満タンになった。
残りの休憩時間は、化粧直しやエチケットチェックなどに当てて午後の部がスタートする。
案の定、見積もり書作成の合間に電話対応やら、営業担当から追加の仕事の依頼が加算されていく。
自然と、パソコンのタイピングの速度も上がっていく。
「先輩〜!」
荒井さんが助けを求めてきた。
「どうしたの?」
タイピングの手を止めないまま、顔だけを荒井さんの方へ向ける。
「この見積もり書なんですけど、前にも作ったことがあって覚えてるんですけど」
そう前置きして、見積もり書を差し出してくる。
パソコンの手を休めて見積もり書を受け取る。
「前に作成した時の見積もり書の金額と今回の見積もり書の金額が少し違うんです。担当の人から言われた通りに作成したんですけど、一度、確認したほうがいいですか??」
「あー…、ホントだね。うん、急いで確認してみて」
荒井さんのパソコンに保存してた前回の見積もり書の内容を、1個ずつ確認してから返答すると、引き続き仕事に戻る。
現在の時刻、15時過ぎ。
もう、バロメーターゼロだ。
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