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17時30分。
やっと終業時刻だ。
佐々木さんも、なんだかんだで、少し手が空いたからと私達の仕事を手伝ってくれた。
「やーっと終わりましたねぇぇぇ〜っ」
タイムカードを押して、パソコンの電源をオフにした瞬間、デスクに倒れるように荒井さんが半泣きするような勢いで話す。
それを見て、私達は笑いそうになりながらも、今日はいつもより仕事量が多かったよね〜なんて、軽口を言いながらロッカールームに向う。
エレベーターに乗って、この後の予定の話などを話し、佐々木さんとはビルを出て別れた。
荒井さんと近くのスタバに寄って、バロメーターを少し回復させながら、話をした。
「今日はホント、佐々木さんに手伝ってもらわなかったら残業確定でしたよぉ〜」
相槌を打ちながら、今日の仕事を振り返っていた。
終業時間30分前に、営業担当から急ぎの見積もり書作成などの依頼が3件も舞い込んだのだ。
「もう私今日という今日は殺意が目覚めちゃって、見積もり書を営業の田辺さんの机に叩きつけるように置きたくなりましたっ」
今日の仕事のうち仕事量で言えば、3分の1は田辺さん(田辺さんという営業担当がいる)の依頼が多かったのだ。
田辺さんと言えば営業部のエースである。
それに伴い、仕事の依頼がいつも多いのは仕方のないことなのだが、終業時間10分前に連絡くることも良くあるのだ。
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