三十路になってから考えてみた。

日常

後は、会社までの15分を電車に運んでもらうだけ。

汗がうっすら顔に浮かぶ。

通勤バッグの中にあるハンカチを取りだし、汗を抑えた。

会社に付いたら、少し化粧を直そう…。

最寄り駅に着くと、徒歩5分のところにあるオフィスビルの3階を目指して歩いて行く。

駅から会社が近いのは、本当にありがたい。

時刻は8時35分。

エレベーターに乗って同僚に会うと挨拶。
会社に着くと、通勤バッグから出したIDカードを首から下げ、カードで解除し入室。

個人ロッカーに通勤バッグを入れて、備え付けの鏡で化粧のチェック。

化粧ポーチから、油とり紙で皮脂を抑える。
ファンデーションを取りだし、軽く手直し。

「先輩！おはようございまぁす!」

元気のいい声が聞こえる。

新人研修で、私が教えていた後輩

荒井　華　(あらい　はな)
25歳　女　独身　(彼氏と同棲中)

茶色のボブカットで、モデル雑誌から飛び出てきたような可愛い後輩だ。

「荒井さん、おはよう！」

笑顔で答えると、先輩聞いてくださいよ〜！と、甘えたような声で彼氏と喧嘩しただとか、彼氏がスマホのゲームばかりして相手してくれないだとかの愚痴を時々聞かされる。

なんとも可愛い愚痴だ。