712人が本棚に入れています
本棚に追加
両手で取手を握りしめて勢いよくドアを閉める。
心臓がバクバク鳴って、手のひらが変な汗で湿る。
取手を握りしめたままそのドアの前で数秒硬直したのちに、ちらりと視線を上げた。
703。
そのドアの左上に掲げられた小さなプレートには確かにそう書かれている。
シホから聞いている部屋番はそれで間違いないし、事前に渡されている合鍵でドアは開錠した。
それに、数週間前にシホに連れられて下見に来てるんだから。
絶対に間違っているはずがない。
それなのに……
そのドアを開けると、見知らぬ男と目が合った。
それも、上半身裸の。
見たのは一瞬だったけど、背が高くて引き締まった身体つきをした、わりとイケメンだったと思う。
最初のコメントを投稿しよう!