Open the Door

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どうしてシホの家に上半身裸の男が…… 今見たのは幻覚────? だとしたら、相当欲求不満だ。 ため息をついたとき、握りしめていたドアの取手が自動的に動いた。 突然のことに驚いて、軽くその場で跳ね上がる。 一緒に心臓までドキリと跳ね上がり、私は取手を握っていた手を自分の胸に押し当てた。 そうしながら少し視線をあげると、さっきの見知らぬ男と目が合った。 半開きになったドアを腕で押さえている彼は、ジーパンを履いているものの、上半身はやっぱり裸だった。 お風呂上がりなのか、明るい茶色の髪が濡れている。 怪訝そうに私を見おろす目が、気性の荒いネコみたいにややつりあがっていて怖い。 だけど、街ですれ違ったらつい振り返ってしまいそうなほど顔立ちは整っていた。 ちらっと見えた何も着ていない上半身は程よく筋肉がついて引き締まっていて、背が高い。 165センチある私が見上げるほどだから、185センチくらいはあるかもしれない……
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