712人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、すいません」
上から睨んでくる男に断りをいれて、電話に出る。
「もしもし、あゆか? シホだけど。もううち着いてる?」
受話器に耳をあてると、シホの大きな声がガンガンと耳に響いてきた。
「今着いたとこだけど……シホどこにいるの?」
「今? 外だよ。もうすぐ帰るし、テキトーにくつろいでて。じゃぁ、あとで────……」
「あぁぁ……シホ! ちょっと待って!!」
電話を切ろうとするシホを慌てて呼び止める。
「へ、部屋に知らない男の人がいるんだけど……」
「え? 男?」
受話器の向こうから返ってきたのは、怪訝そうなシホの声。
最初のコメントを投稿しよう!