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そんなカッコいいから目立っちゃうんだよ! って心の中で叫んでる。直接言ったことはないけど。言ったりしたら、恥ずかしさで死ねる。僕がそんなに玲次に惚れてるなんて知られたら。
玲次、あれでも大切にしてくれてる。毎日のお迎えなんて、その最たるものだし。だから、時々こうやって付き合ってることが当たり前のような気がしてしまう。
大事にされてることを感じるのは、すごく居心地がよかった。当然だけど、大事にされるのは楽だから。今までに、僕は一度も好きだとすら言ったことがない。ずるいかもしれないけど、玲次に想われて付き合ってやってるんだと思っていたい。
感じたこともなかった嫉妬が手に負えない。せめて、玲次が迎えに来なかったら救われるのに。校門なんかに立ってたら、目を引いて仕方がない。女の子たちに後をつけられるのはまっぴらだ。
でも、今日も玲次は校門で待っていて、あろうことか何通かの手紙まで持っていた。
「…何それ」
「ファンだって。お前のクラスの子らしいけど」
何でもないことのように、玲次は手紙をひらひらさせる。確かに、何でもないことだよ。ここがジーラスならね。
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