危険なふたり?

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「しゅ、たろぉさん……これ以上触れられていたら……お、押し倒したくなっちゃいますっ」  ギュッと僕の手を握る小さな手に力が込められて、僕は瞳を見開いた。 「な、何日間も……その、……修太郎(しゅうたろう)さんと仲……良し……して……ないので……今の私は……しゅーたろぉさんロスで……き、危険人物なのですっ」  そこで僕の手を頭の上から下ろすと、一度だけ手指に力を込めてからパッと離す。 「だから、ふ、不用意に触れちゃダメなのですっ」  ぷぅっと頬を膨らませる日織(ひおり)さんが可愛過(かわいす)ぎて。  本当、場所柄も(わきま)えず、あなたを押し倒したくてたまらない危険人物は僕の方なんですけどね?  一瞬、午後から有給を取って日織さんを家に連れ帰ってしまおうか、なんて本気で考えたとか……僕も大概管理職失格ですね。   *** 「それでね、修太郎さん、私、ちっとも酔わない事に気がついたのですっ」    自信作だとおっしゃった、ネギ入りのだし巻き卵を食べ終えて、ニコニコと微笑みながらおっしゃる日織さんに、僕は何とお答えしたらいいのか分からずただ彼女を見つめるしか出来なくて。
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