376人が本棚に入れています
本棚に追加
〝修太郎さんが眠ってしまったら……私、何のイタズラしちゃいましょう!?〟
「あ、あの日織さん……僕はいま」
眠っていませんよ?
そう続けようとしたのだけれど、「しーっ」と唇に人差し指を添えられて、言葉を封じられてしまう。
「ね、いい子だからお口開けてください……」
言って、日織さんが僕の唇に添えていた手をツツッと滑らせるように、そっと合わせ目をなぞる。
「あ、の……」
ヤバイ。
日織さんを押し倒す妄想はいつもしているけれど、逆なんて考えたこともなかった――!
こ、れはどうしたらいいんですかね?
戸惑う僕に、日織さんの顔が近づいて来る。
「素直に開けないと、こじ開けちゃいますよ?」
ひーッ! 日織さんっ!
ちょっと待って、ちょっと待って。
これ、どうするのが正解ですか?
僕の心臓は年甲斐もなく、破裂しそうにバクバクしてしまう。
戸惑う僕を嬉しげに見下ろす日織さんが、そのまま僕の上に影を落としていらして。
唇に這わされていた指先が、「ねぇ早く」と促すように、唇の隙間に差し込まれた。
最初のコメントを投稿しよう!